今春、香川県内の高校で初となる女子硬式野球部が尽誠学園(善通寺市)に誕生した。県内外から集まった部員23人が目指すのは「日本一」。今月8日に香川県丸亀市で初開催となる女子高校野球四国交流大会に向け、練習にも熱が入る。
「ナイスラン、いいよ!」
5月下旬の夕方、善通寺市内の市営球場で走塁練習に取り組む部員の声が響いていた。
「目標は日本一です」。そう話したのは、主将の近藤梨菜さん(3年)。
小学5年生から二つ下の弟の影響で野球を始めた。中学校でも野球部に入り、男子部員に交じって連日、日が暮れるまでグラウンドでプレーした。しかし、高校入学後は茶道部とボランティアの部活に所属。野球部がなかったからだ。弟の姿をみて「私も野球をしたい」と感じていた。
転機は、高校1年生の3学期。担任の先生から「学校に女子野球部ができる」と聞かされ、心が躍った。「全力で 野球しよう!」。そう呼びかけるチラシが各クラスに配られ、決断するのに時間はかからなかった。
同校の男子野球部は、春夏通算18回の甲子園出場、全国4強の実績もある強豪だ。女子野球部の立ち上げには、下山優(ゆたか)校長(50)の強い思いがあった。
近藤さんのように、小中学校…