完成した「山形大学シードル2025」=2025年3月6日午後0時8分、山形市小白川町、安斎耕一撮影

 山形大学農学部の付属施設である高坂農場(山形県鶴岡市)で生産されたリンゴを原料に使った果実酒「山形大学シードル2025」が完成した。シードルづくりは2023年から始めた試みで、今回で3回目。例年よりも奥行きのある味わいに仕上がったという。販売本数は計約900本で、同大の各キャンパス内にある生協の店舗で購入できる。

 同大生協によると、高坂農場の総面積は24ヘクタールで、その中で計10品種のリンゴを栽培している。21年に発生した凍霜害やひょう害により加工用に回ったリンゴが多かったため、リンゴジュースにして販売した。この取り組みをきっかけに、高坂農場と山大生協でリンゴを活用した商品開発を試みることに。23年に、鶴岡市にある蔵元「奥羽自慢」に醸造を依頼し、シードルとして販売。好評を得たことから、24年に続き今年も製造したという。

 今年のシードルは、食用として定番の「ふじ」「紅玉」「王林」の3種に加え、調理・加工用の「グラニースミス」や、通常は生食に適さない受粉樹の実から「ワルツ」「ポルカ」も原料として使っている。

 栽培には農学部の学生がかかわり、ボトルのラベルは地域教育文化学部4年の早水京華さん(当時)がデザインした。

 生協担当者らは「受粉樹になったリンゴを加えることで、より膨らみのある味わいになった。青リンゴの割合を増やし、すっきりとした飲み心地を目指した」と話す。

 価格は1本(375ミリリットル、アルコール度数7%)で1430円(税込み)。県内にある同大の小白川、飯田(いずれも山形市)、米沢、鶴岡の各キャンパス内にある大学生協の店舗で購入できる。売り上げの一部は「山形大学基金」などに寄付されるという。

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