ごみを拾う参加者たち=2024年10月27日午前9時27分、鳥取市、清野貴幸撮影

 砂浜のごみを拾ってきれいにし、地引き網の漁も楽しむ――。鳥取県立青谷高校(鳥取市)の生徒たちが企画した、そんなイベントが10月下旬、市内の海岸であった。地元の子どもたちを含む約230人が参加し、地魚を食材にしたつみれ汁も味わった。

 メンバー12人の「ソーシャルアクション同好会」が企画した。下地になったのは、「うみぽす甲子園」(一般社団法人・海洋連盟主催)での入賞だ。高校生がチームを作って海に関わる課題をポスターにし、活動内容とプレゼン力も競うコンテストで、青谷高の生徒たちが昨年、海のごみ問題をテーマに入賞。同好会はその活動を受け継ぐ形で今年5月に発足し、年4回の海岸清掃や啓発ポスター制作などの活動を続けている。

 地引き網という楽しみもあれば参加者が増えるのでは? メンバーの読み通り、会場になった船磯漁港近くの海岸には当日、親子連れを中心に一般参加者だけで想定を上回る約140人が足を運んだ。30分余りごみ拾いをすると、発泡スチロールやポリタンク、漁具など大量のごみが集まった。

 その後、鳥取県漁協浜村支所の協力で地引き網漁が始まった。参加者は長いロープを二手に分かれて引いた。チヌ、マダイ、アナゴ、サメ、イカなどさまざまな魚介類が入り、子どもたちは興味津々。希望者は持ち帰った。

 魚が好きだという足利瞳子(とうこ)さん(6)は「サメもいてうれしかった」。父の佳祐さん(32)は「ごみがかなりあると分かった。子どもも楽しめて良かった」と話した。

 「みんな楽しそうにやっていてこっちも楽しい」と同好会メンバーの富田優真さん(1年)。部長の山本柚花(ゆずか)さん(2年)は「海の生き物が好きで活動を始めた。鳥取の海をきれいにして海のあるまちを楽しくしていきたい」と話す。顧問の中嶋崇裕教諭は「生徒たちには、誰かを巻き込んで気になることや課題を解決する力をつけてほしい」と期待している。(清野貴幸)

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