大谷浩・島根大学長(中央)と握手する中尾香達さん(左)と竹林蒼太さん=2025年8月1日午後3時19分、松江市、垣花昌弘撮影

 島根大学の学生2人が、企業向けに生成AI(人工知能)導入を支援するベンチャー企業を立ち上げた。6月には島根大から「大学発ベンチャー」の認定を受けた。2人は山陰をAI先進地にしたいと意気込む。

 創業した会社は「ストラテジーAI」(資本金100万円)。人間科学部3年の中尾香達(こうたつ)さん(22)が代表取締役、総合理工学部4年の竹林蒼太さん(22)が取締役を務める。

 中尾さんはコロナ禍の時に大学を休学し、東京のAIアプリ開発会社でインターンシップを経験。その後、インドなど海外のIT先進国を訪れ、日本のITやAIのリテラシー(知識・能力)の低さを実感した。

 帰国後、同じく海外でAIを学んだ竹林さんとともに、海外のAIの最新情報を国内向けに発信する動画の配信を開始。企業から問い合わせを受けるようになり、会社の立ち上げにつながった。企業向けに生成AI導入研修などを提供し、現在13社と取引があるという。

 島根大発ベンチャーの認定は9例目で、学生起業としては初。大学によると、認定によって資金調達の面で信用が高まるという。

 同社が山陰の企業約120社に調査したところ、業務にAIを導入しているのは6%に過ぎなかったという。中尾さんは「山陰の企業のAI導入率を100%にしたい。100%を達成すると、島根、鳥取はAIの先進県として経済的に成長すると思う」と語った。

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