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 群馬県みどり市は、在野の考古学者、相沢忠洋(1926~89)の功績を伝える映画などを制作する。日本に縄文文化より古い旧石器文化があることを証明した同市の岩宿遺跡の発見者で、3月に「相沢忠洋蒐集(しゅうしゅう)考古資料」が国の登録有形文化財に答申されるなど、改めて注目されている。

 映画は、相沢の人生や遺跡発見の功績が分かるストーリーとし、小学生にも理解できる内容にする。市内でロケをするほか、エキストラとして市民に参加してもらうなど、みどり市を多く登場させる。2時間程度の作品で、2026年の完成、全国の映画館での上映を目指す。作品はDVDにして教育にも活用する。

 相沢は戦後間もなく桐生市に復員。小間物や納豆などの行商をしながら赤城山ろくの遺跡を踏査し、縄文土器や石器などを数多く発掘した。旧笠懸村(現・みどり市笠懸町)の切り通しの崖には何度も通い、赤土(関東ローム層)の中から石器や黒曜石の槍先形尖頭器(やりさきがたせんとうき)などを発見した。

 槍先形尖頭器の発見について、「もう間違いない。赤城山麓(ろく)の赤土(関東ローム層)のなかに、土器をいまだ知らず、石器だけを使って生活した祖先の生きた跡があったのだ。ここにそれが発見され、ここに最古の土器文化よりもっともっと古い時代の人類の歩んできた跡があったのだ」と、著書「『岩宿』の発見」(講談社文庫)に記した。

■岩宿博物館はリニューアル予…

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