岩手大は1日、獣医学部新設を含めた学部の改組が正式に決まったと発表した。農学部から共同獣医学科を独立させて獣医学部にするほか、理工学部のコースの一部を農学部に移管する。
共同獣医学科は東京農工大と連携して開設しており、現在の定員(30人)のまま獣医学部に移管する。岩手大の佐藤洋共同獣医学科長は「(獣医学教育をする)東北の唯一の国立大学として、国際的に通用する知識、技術をもった地方創生型の獣医師を育成する」と話した。
農学部には、理工学部から化学・生命理工学科の生命コースが移管し、6学科3コースから4学科8コースにまとまる。「食料」「生命」「環境」をキーワードに実践的な教育を充実させる。
理工学部は3学科8コースを1学科8コースに改組する。入学後、学科やコースを変えたいという学生の希望を、学科を一つにすることでかなえやすくする。所属する学生は、「半導体人材育成プログラム」を受けられる。新設されるプログラムで、1、2年次に「半導体入門」「半導体デバイスと製造プロセス」といった共通の授業があり、3年次には各コースごとに専門に応じた半導体関連の授業が受けられる。
県内には半導体産業が集積している。プログラムの開設は、地元から半導体の知識を持った生産現場で働ける人材の育成を求める声に応えたという。(小泉浩樹)
岩手大の改組後の体制
【理工学部】(定員:414人)
理工学科(同)
化学コース、数理・物理コース、材料科学コース、知能情報コース、クリエイティブ情報コース、電気電子・情報通信コース、機械知能航空コース、社会基盤・環境工学コース
【農学部】(定員:226人)
食料農学科(50人)
農学コース、食品健康科学コース
生命科学科(51人)
分子生物機能学コース、分子生命医科学コース
地域環境科学科(70人)
革新農業コース、森林科学コース
動物科学・水産科学科(55人)
動物科学コース、水産システム学コース
【獣医学部】(定員:30人)
共同獣医学科(同)
※人文社会科学部と教育学部は改組せずに存続する