昨年、首相を務めた自民党の岸田文雄衆院議員の関係政治団体の政治資金収支報告書が29日、公表された。岸田氏の関係政治団体は昨年、民間の企業・団体から少なくとも889万円の寄付を受け、7回の政治資金パーティーで計1億5千万円の収入を得ていた。
総務省によると、岸田氏の関係政治団体は3団体。「法人その他の団体」からの寄付があったと報告したのは、岸田氏が代表の自民党広島県第1選挙区支部。寄付収入994万7470円のうち、寄付者名が記されているのは45の企業・団体で、計889万7470円だった。
政治資金パーティーを開催したのは、岸田文雄後援会と、岸田氏が代表の新政治経済研究会。2団体で計7回開催し、パーティー収入は計1億5077万8911円にのぼった。20万円を超える支払者は報告書に記載する必要があり、大手家具会社から計450万円、医療関連会社から計120万円、アルミニウム製造会社から計60万円の支出を受けていた。
岸田氏は28日、石破茂首相と衆院議員会館で面会。関係者によると、臨時国会で焦点となっている政治改革に触れ、立憲民主党などが求める企業・団体献金の廃止に否定的な考えを示したという。
広島市内にある岸田氏の事務所は取材に対し、「企業から寄付を受けていることは事実だが、それ以上のことについてのコメントは控えたい」とした。