岸田文雄首相は8月上中旬、カザフスタンなどを訪問し、同国で開かれる中央アジア5カ国の首脳会合に初めて臨む。中央アジアは安全保障分野でロシア、経済分野で中国との関係が強い。日本としても、強みとする脱炭素分野を中心に協力を打ち出し、エネルギー・鉱物資源が豊富な中央アジアとの関係強化を図りたい考えだ。
複数の政府関係者によると、首相は8月9～12日の日程でカザフスタンなどを訪問。中央アジア5カ国（カザフスタン、ウズベキスタン、キルギス、タジキスタン、トルクメニスタン）との首脳会合では、脱炭素や物流網の強化、人材育成の3分野で協力を打ち出す方向だ。日系企業が参加するビジネスフォーラムも開催し、官民挙げた経済協力をアピールするとみられる。
もともと日本と中央アジアとの対話は2004年に始まり、過去9回外相会合を開催。さらなる関係強化を目指す日本は20周年の今年、対話の枠組みを首脳会合に格上げする考えで、今回の首相訪問はその一環となる。
中央アジアは中ロ両国の影響…
