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潜水艦など様々な船が係留されている川崎重工業神戸工場=2024年7月4日午後、神戸市中央区、朝日放送テレビヘリから、白井伸洋撮影

 海上自衛隊の潜水艦修理をめぐる裏金接待問題で、大阪国税局の1年余りに及ぶ税務調査が終結し、川崎重工業がその他の申告漏れも含めて6年間で約10億円を追徴課税された。関係者への取材でわかった。川重はすでに修正申告し、納税したという。

 今回の税務調査をきっかけに、防衛予算の一部が裏金化され、潜水艦乗組員らの物品・飲食代に使われてきたことが判明。多額の裏金を作れるほど予算が過大になっていたことになる。

 川重の特別調査委員会などによると、同社の神戸工場修繕部は下請け会社に資材などの架空発注を繰り返し、支払った代金を裏金としてプールさせていた。

 こうした裏金は、乗組員らの要望に応じて潜水艦内の備品のほか、ゲーム機やゴルフ用品などにも支出され、飲食接待にも使われた。架空取引は約40年前から続けられていたという。

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 関係者によると、国税局は2023年3月期までの6年間で約13億円分を「交際費」と判断し、重加算税の対象となる所得隠しにあたると指摘した。他にも米国の子会社をめぐり、租税回避を防ぐためのタックスヘイブン対策税制を適用。子会社分も合算して日本で納税すべきだとして申告漏れを指摘したという。

 所得隠しを含む申告漏れの総額は約40億円、追徴税額は約10億円とされる。川重は取材に対し、「国税からの指摘に従い、すでに修正申告し納税した」と答えた。

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