「市民参加型万博」と呼ばれた2005年愛知万博は、約2204万人が来場し、約130億円の黒字を出しました。来年4月に開幕する大阪・関西万博が、活用すべき愛知万博のノウハウとは何なのか。愛知万博で市民参加事業「地球市民村」のプロデュースをした元博報堂社員の中野民夫さん(67)に話を聞きました。
――「地球市民村」とはどういった事業だったんでしょうか。
万博期間中、様々な課題解決をする国内外のNPOやNGOが1カ月ごとに出展しました。「持続可能性への学び」をコンセプトに、来場者が楽しみながら学べるような展示やワークショップ(WS)などのプログラムを展開しました。
100を超える団体が関わり、6カ月の会期中に来場者の約1割にあたる200万人以上が訪れました。市民活動や世界の課題を広く一般の人に知ってもらうきっかけになったと思います。
――地球市民村を手がけるにあたってどういったことを工夫しましたか。
万博には多種多様な人が来る中、足を止めてもらえなければ意味がありません。それぞれの団体が熱い思いを持って活動していますが、熱量をぶつけて難しい話をするだけでは興味は持ってもらえません。出展団体には、質の良い展示をするために開幕1年前から10回近いWSに参加してもらいました。これは団体同士のつながりを作る場にもなりました。
――大阪・関西万博でも「TEAM EXPO」という民間参加のプログラムがあります。NPOやNGOだけでなく、企業や大学も参加する予定です。
万博のようなイベントでは…