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大柿さんが開発した低体重児用の肌着(右)。新生児用(左)と比べて一回り小さいサイズになっている=2024年12月21日、神奈川県藤沢市、堅島敢太郎撮影

 妊娠23週で生まれたわが子は、445グラムしかなかった。肌着を買い求めに行っても体に合うサイズが見つからない。そのときの「社会からの疎外感」が、いまも原動力になっている。

 オンラインストア「Baby Storia(ベビーストリア)」は低出生体重児向けの肌着を開発、販売している。運営会社代表の大柿綾子さん(42)が次男の瑞樹さんを産んだのは、29歳のとき。妊娠初期から熱が続いた影響もあり、23週で切迫早産となった。

 2500グラム未満で生まれた赤ちゃんは「低出生体重児」と呼ばれるが、445グラムの瑞樹さんのように1千グラム未満の赤ちゃんはそこに「超」がつく「超低出生体重児」だ。

 瑞樹さんの体は手のひらに乗るほどで、足は大柿さんの小指ほどの太さしかなかった。新生児集中治療室(NICU)に入ったわが子に会いに行く度に、「なんてことをしてしまったんだ」と自分を責めた。

 生後2カ月が経ち、保育器を出た瑞樹さんの肌着を探し回ったが、サイズが合うものに出会えなかった。

 市販の肌着は肩が丸見えになるほどブカブカ。余った生地に点滴のチューブが絡まって抱っこもしづらかった。

商品化のきっかけはママ友の言葉

 裁縫は決して得意な方ではな…

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