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 奈良県生駒市辻町で昨年発生した大規模な土砂崩れから28日で1年が経った。現場の山林を所有する近畿日本鉄道が進めてきた対策工事はほぼ完成した。一方、住宅に土砂が流れ込んだ世帯との補償交渉は進まず、住民は今も避難先で仮住まいの生活が続く。

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被害を受けた豊原三佳さんの自宅。押し寄せた土砂の跡がベランダの壁にも残る=奈良県生駒市辻町

 土砂崩れは昨年6月28日午後8時ごろ、近鉄けいはんな線東生駒トンネルのある山林で発生した。けが人はなかったが、土砂は隣接する住宅地に流れ込み、市の応急危険度判定で5軒が「危険」と判定された。土砂の一部は線路にまで達した。

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土砂は住宅と近鉄けいはんな線の線路に流れ込んだ=2024年6月29日午後0時39分、奈良県生駒市、朝日放送テレビヘリから、遠藤真梨撮影

 豊原三佳さん(58)方には、土砂が窓を突き破ってリビングや浴室に流入した。浴槽は泥まみれとなり、脱衣場には一抱えもある岩が転がっていた。家族全員外出していたが、留守番していた飼い犬は机の下でおびえていた。翌朝、自宅は床下浸水までしていることが判明した。

ようやく見積書が

 近鉄は被害を受けた住宅から…

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