岐阜県高山市の「秋の高山祭」(八幡祭)は10日、閉幕した。9日夜には、コロナ禍や雨で中止が続いた「宵祭(よいまつり)」が5年ぶりに開かれ、まちは幻想的な雰囲気に包まれた。市によると、2日間で18万2千人が訪れた。
宵祭では、11台の屋台がちょうちんの明かりで「古い町並」を照らしながら巡行。通りの角で曳(ひ)き手たちが方向転換させると、観衆から「おおー」と歓声が上がった。
鳩峯車(きゅうほうしゃ)を先導した村田浩崇さん(46)は「先人たちが残した屋台を披露する喜びを感じた」と語った。
10日は晴れ間が広がり、朝から桜山八幡宮の表参道に屋台が集まった。地元の市立西小学校の4~6年生30人が7台に体験乗車し、車輪の構造などの説明を受けた。高山屋台保存会の寺地亮平・庶務理事(68)は「各屋台の違いにも興味を持ってもらえるといい。祭りを継承する気持ちが芽生えれば」と話した。
境内では、布袋台のからくり奉納があった。前日2回目の奉納の際、唐子人形の1体が屋台から落下するハプニングがあったが、この日は再び3体の人形を操る妙技を見せて観衆を沸かせた。
地元の町内でも披露し、小学3年の瓜田晴さん(8)が初めて屋台上で人形を操った。「緊張はしたけど、全く失敗せずにできた。来年はもっとレベルアップしたい」と笑顔を見せた。(荻野好弘)