大阪・関西万博のアクセシビリティセンターで無料で貸し出されている車いす=2025年4月27日午後1時26分、大阪市此花区、仙道洸撮影

夢洲から

 大阪・関西万博の会場は広い。ぐるりと囲む大屋根リングの周回は約2キロ、東西の両ゲートの間は1・2キロほど。歩いて回るのは一苦労だ。

 高齢者や小さな子ども連れ、障害がある人らのために、両ゲートのそばの「アクセシビリティセンター」では手で押して歩く歩行補助器具や杖、ベビーカーなどが貸し出されている。長距離を歩くのが難しい人向けの四輪の電動車「パーソナルモビリティ」もあり、一般の人も抽選を経て借りることができる。

 中でも人気が高いのが、車いすの無料貸し出し。東西にある計約300台ほどが、午前中にほぼ出払うこともあるという。列に並ぶ人に尋ねてみると、「普段は杖を使って歩くが、広い会場内を杖だけで移動するのはつらい」という。

 会場内では、荷物を車いすの座る部分に載せて、ショッピングカートのようにして押して歩く高齢者も見かけた。にぎわいでベンチが埋まることもあるが、歩行補助器に座って休憩する人もいるという。

 自分に合った移動手段を工夫して選ぶのも、万博をより楽しむ上で大事なことだな、と思う。

 30歳手前の私は……。最近、体が重い。やっぱり、歩いて回ろう。

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 世界中の人々が集まり、連日多彩なイベントが開かれる大阪・関西万博。会場の夢洲(ゆめしま)で取材に駆け回る記者たちが、日々のできごとや感じた悲喜こもごもを伝えます。

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