新しく植えられた被爆アオギリ2世=2025年2月17日午前10時22分、広島市中区、魚住あかり撮影

 広島市中区の袋町公園に植えられていた「被爆アオギリ2世」の木(高さ約3メートル)が、何者かに倒されていたことが広島県警への取材でわかった。倒された木は、80年前の原爆投下で爆心地から1.3キロの場所で被爆したアオギリの種から育てたもので、県警が器物損壊容疑で調べている。

 広島中央署によると、14日午後4時半ごろ、同公園でもめ事が起きているとの110番通報を受け、署員が向かったところ、木が根元から倒れていた。中高生とみられる男数人が木を倒して逃げた、との目撃情報があるという。

 この木は、NPO法人セトラひろしまが原爆の惨禍を伝えようと、市の許可を受けて植えていた。新しい苗木を同じ場所に15日、植え直したという。石丸良道副理事長(73)は「被爆した木から命をつないで植えている。大切に見守って欲しい」と話している。

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