ひろしまレポート2024年版=2024年4月19日午後6時38分、広島市中区、興野優平撮影

 広島県などは19日、核兵器廃絶への各国の昨年の取り組みを評価した「ひろしまレポート」を発表した。昨年5月のG7(主要7カ国)広島サミットなどでの核軍縮への取り組みについて「核問題を巡る状況の悪化を抑制するには至らなかった」と結論づけた。

 レポートでは、サミットで採択された核軍縮に関する「広島ビジョン」について、「国際社会がとるべき行動・措置を包括的に提示した」と評価する一方、「核兵器の存在及び核抑止を肯定するものだとの強い批判も見られた」と指摘した。

 レポートは核保有国を含めた34カ国の昨年1年間の動向を、国内外の専門家らが分析。「核軍縮」「核不拡散」「核セキュリティー」の三つの分野で評価している。

 昨年11~12月の核兵器禁止条約第2回締約国会議について、核抑止の正当性を否定する宣言が採択されたと紹介する一方で、日本などが参加せず「核保有国及び同盟国は引き続き条約に反対している」と指摘した。

 ロシアによる新戦略兵器削減条約(新START)の履行停止などについては、「既存の核軍縮条約の存続可能性に大きな懸念を与えた」と指摘。北朝鮮の核・ミサイル開発などにも触れ、「核問題を巡る亀裂は核兵器国・非核兵器国間だけでなく、それ以上に核兵器国間で深刻化した」と総括している。(興野優平)

■核軍縮に向けた核保有国の取…

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