地域医学コースに入学した新入生=2024年4月13日午後2時3分、京都府与謝野町男山、滝川直広撮影

 京都府立医科大学(京都市上京区)は今年度、社会人対象の「北部キャンパス地域医学コース」を大学院の博士課程に開設した。高齢化という地域が抱える課題に医学的にアプローチし、将来の指導的人材の育成をめざす。13日に開講式があり、20~40代の5人が入った。

 北部キャンパスは与謝野町にある北部医療センターを指し、府北部の「知の拠点」を目指している。地域医学コースは、中丹以北の病院に常勤する医師らが対象だ。

 夜久均学長は開講式で、持続可能な地域医療を提供するために医師を送り込もうとしても、地域に魅力がないと若手医師も行きたがらないと指摘。自治体に地域の魅力アップを求めた。一方、大学としては、地域で働く若手医師の不安を解消し、キャリア形成を支援するために今回のコースを設けたと説明した。

 新入生代表の稲葉哲士さん(28)は「高齢化の進む府北部だからこそ、現場で直面する課題に向きあうことで、先進的な研究を世界に発信していけると確信している」とあいさつした。

 稲葉さんは市立福知山市民病院の医師だ。取材に対して「複数の疾患を抱える多疾患併存の高齢者が増えている。どのように治療していくのか定まっていないので勉強していきたい」と話した。(滝川直広)

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