「ドラえもん」のドラえもん役を四半世紀にわたり演じた声優の大山のぶ代さんが亡くなった。「ぼく、ドラえもん」。他に類をみないその個性的な声は、老若男女、多くの人を魅了した。
「大山さんの声って、ドラえもんをやっているから〝ドラ声〟って言うんでしょ?」「エッ、エエーッ!」
若い女性に無邪気にこう聞かれ、声を上げて驚いたエピソードを自伝で明かした。言葉の意味を変えるほど〝ドラ声〟は愛された。
中学入学後すぐ、持って生まれた低くて太い声をからかわれ、口を利かなくなった。暗く沈む娘に母は言った。「ドンドン声を出すように、何か声を出すクラブへ入りなさい」
放送研究部で校内放送を毎日…