参院本会議での旧優生保護法補償金支給法の可決、成立を見守る(右から)新里宏二弁護士、原告の北三郎さん(仮名)ら=2024年10月8日午後5時39分、岩下毅撮影

 旧優生保護法(1948~96年、旧法)下で不妊手術を強制された障害がある人らへの「補償金支給法」が8日、参院本会議で全会一致で可決、成立した。衆参両院で謝罪と被害回復のための決議も行った。旧法を違憲と断じた今年7月の最高裁判決に対し、国が一定の回答を示した。公布から3カ月後に施行される。

 旧法は「不良な子孫の出生防止」が目的。約半世紀にわたり強制不妊手術などが横行した。

 国は、手術の際に身体拘束したり、だましたりすることが許されると通知。子宮摘出など旧法で認められていない手術もずさんに行われた。9歳の子どもに手術をした記録も残る。原告側は「戦後最大の人権侵害」と指摘した。

 旧法の規定で行われた不妊手術は約2万5千件、中絶手術は5万9千件とされる。

 最高裁は「立法時点で違憲」とし、国に強制不妊手術の被害者に最大1500万円、配偶者に200万円の賠償を求める判決を言い渡した。判決を踏まえ、超党派の議員連盟が新しい補償に向けた法案をとりまとめた。

 強制不妊手術の被害者に1500万円、配偶者に500万円を補償する。いずれも本人が亡くなった場合は遺族が申請できる。中絶手術の被害者に200万円を一時金として支給する。

 「心残りが晴れた」。傍聴席…

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