ミラノからパリへ。2025年秋冬シーズンのパリ・ファッションウィーク(PFW)が3日、開幕した。初日は日本のCFCLや、米国発のヴァケラと、期待の若手が公式スケジュールでショーを開催した。
CFCL
ユニクロ
ヴァケラ
この日はミラノからパリ入りするファッション関係者も多く、PFWのスケジュールも目立った動きは夕方から。ニットブランドCFCLのショーは午後6時、パリ中心部のポンピドゥーセンター近くにあるフランス国立音響音楽研究所で開かれる予定になっていた。
PFWにはコムデギャルソン、ヨウジヤマモト、イッセイミヤケの「御三家」以外にも日本勢が多数公式参加している。先陣をきるのはCFCLだ。
ショーが実際に始まったのは同6時38分。ファーストルックは平面的なパターンの中綿入りブルゾンで、外側の縫い合わせにあたる部分が赤く縁取られてアクセントになっている。
冒頭と、続くジグザグ模様の巨大なヘリンボーン柄のセットアップなどは、再生ポリエステル100%の糸を使用したという。
後半に登場した黒と金のメタリックな糸で編まれた素材の服は陰影がくっきりして存在感があった。
終了後、徒歩10分ほどの位置にあるピカソ美術館でユニクロがイベントを開いていると聞きつけ、足を運んでみた。展示されていたのは、ピカソとユニクロのコラボTシャツ。利益相当額が世界各地で避難生活を強いられている人々や、紛争などの困難な状況に直面する子どもたちへの支援などにあてられる「ピース・フォー・オール」というプロジェクトで、1958年にストックホルムで開催された平和会議のためにピカソが描いた作品「花束を持つ手」がプリントされていた。日本でも14日に1500円で発売される。
ヴァケラの会場は左岸のモンパルナス付近の施設。地下鉄を乗り継いでセーヌ川を渡り、たどり着いたのは、以前アンダーカバーなどのショーでも使用された無機質な雰囲気の空間だった。
新作は肩が強調されたテーラードや、股上がとても浅いボトムスを水着にスタイリングしたり、彫刻的なドレスに巨大なコサージュがつけられていたり。パンキッシュなテイストでモードど真ん中の雰囲気。客席の年齢層は若く、終了後には歓声と拍手で沸いた。9日間にわたって朝から晩まで多数のブランドがショーやプレゼンテーションを開催するPFW。ヴァケラのショーは、ファッション最高の発表舞台とされるPFWの初日のトリとして、じゅうぶんすぎるほどの力作コレクションだった。