昨秋の衆院選で落選した自民党の武田良太・元総務相(56)が、地元福岡11区で巻き返しを図っている。地元の市長選では、「反武田」の急先鋒(きゅうせんぽう)である現職の対抗馬を支援。県議補選でも、自民新顔の擁立に関わった。23日投開票の二つの地方選は、武田氏を破った維新の村上智信衆院議員(55)との「代理戦争」の様相も呈している。
2003年衆院選での初当選以来、7期連続で無敗だった武田氏。永田町でも二階派幹部として頭角を現して久しかった。だが、8期目をめざした昨秋、派閥の裏金問題もあり、維新新顔の村上氏に約2200票差で敗れた。党の処分で比例重複立候補をしておらず、21年ぶりに議員バッジを失った。
地元で県議補選(築上郡・豊前市選挙区、被選挙数1)が告示された3月14日、武田氏は自民新顔候補の出陣式にいた。満席で立ち見客も出た会場で、トラックの荷台を用いたステージ上の来賓の中央席に座った。
落選後も存在感 バッジなくても町の成人式には来賓で出席
出陣式のあいさつで先陣を切った新顔候補の後援会長が、ひときわ大きな声を出す。「市と県と、国とが力強い束でつながっていかなければなりません。武田先生に国政に一日も早く復帰していただきたい。いかがでしょうか!」。武田氏は主役に負けない喝采を浴びた。
その後、武田氏はマイクスタ…