約2年にわたり本紙土曜別刷り「be」に連載された沢木耕太郎さんの初めての長編時代小説「暦のしずく」が単行本になった(朝日新聞出版刊)。江戸中期の講釈師・馬場文耕(ばばぶんこう)の謎に包まれた生涯を、大胆な想像力をもとに、丸ごと描き出した大作だ。 ■「僕の一部、文耕にすり込まれた」 文耕は宝暦8…