生活安全企画課の阿波拓洋課長が、闇バイトの募集内容の特徴について語った=Xの警察庁公式アカウントから

 首都圏を中心に闇バイトが絡む強盗事件が相次いでいることを受け、警察庁は、逮捕された実行役らが参加した「闇バイト」の募集内容を発表し、こういった求人に応募しないように呼びかけた。一方、闇バイトに応募した少なくとも3人が、警察に相談して保護されたことも判明した。

 警察庁によると、一連の事件で逮捕された実行役らが応募したSNS上の投稿には、「短期間で高収入」「お金配りますよ」「深夜に人を運んでください」「高額収入の引越しバイトの募集」といった文言があった。

 高収入を示す文言とともに、「即日払い」など報酬をすぐに得られるといった内容が多く見られる。また、「ホワイト案件」などと違法ではないことを強調したり、「ドライバー」や「荷物を運ぶ仕事」といった表現で犯罪とはわからなかったり、楽な仕事と強調したりする特徴もあった。

 こうした募集では「本日稼働可能」と即座に参加できることや、「要普通免許」と運搬に対応できることを条件にしていることも多いという。

 一連の事件では、実行役らがダイレクトメッセージを送って応募をすると、匿名性の高いアプリ「シグナル」に誘導されていた。その後、免許証の画像などを送信させられ、個人情報をもとに脅されて強盗などを指示されるといった流れだ。

 警察庁では18日以降、X(旧ツイッター)を通じて闇バイトで犯罪に加担しないよう呼びかけてきた。その後、闇バイトに応募した少なくとも3人が、警察に相談して保護されたという。

 うち1人はSNSで応募した後に匿名性の高いアプリで個人情報を指示役に送らされ、犯罪行為に加担するように指示されたが拒否したという。警察庁の呼びかけを知り、23日に相談専用電話(#9110)に電話し、その日のうちに保護された。

 警察庁は4月から、X上で闇バイトの募集とみられる投稿をAI(人工知能)が検索し、職員が「犯罪実行者を募集しているおそれがあります」などと返信する取り組みを始めている。半年間で約2700件に返信したという。(板倉大地)

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