2016年の熊本地震で建てられた仮設住宅なのに、9年後の今も利用されている建物が500戸以上ある。大事に使えばさらに30年以上持つという。「くまもとモデル」と呼ばれる、この仮設は能登半島の地震や豪雨の被災地でも建てられている。
熊本県宇城市小川町にある井尻仮設団地を3月下旬、訪ねた。平屋の木造が20戸立ち並ぶ。ここに住んで4~5年になるという女性は「冬でも暖かいのが何より」という。
隣に住む山口順子さん(86)は元土建業。「仮設なのに鉄筋コンクリート(RC)の基礎から造っていた。それに、建てるスピードがものすごく速かった。これには驚いた」と証言する。
この井尻仮設を手がけたのは…