奈良市の帝塚山中学・高校グラウンドで10日午後に起きた落雷事故について、同校が12日午後、状況を説明する記者会見を開いた。事故では部活動中の6人が救急搬送され、そのうち中学生2人が意識不明の重体となっている。
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気象庁によると、奈良県内には10日午前から雷注意報が出ていた。同校の小林健校長は会見で、グラウンドには雷注意報が出ていることを認識している教員もいたが、急激な天候の変化で「防ぎきれなかった」と述べた。
「学校で起きたことなので、学校の責任ととらえている」とし、「傷つかれた生徒のみなさん、何より入院されている生徒とご家族のことを思うと、本当におわびの言葉もございません」と話した。
落雷は、グラウンドでサッカー部や野球部などが部活動をしていた10日午後5時50分ごろに発生。男子中学生5人、女子高校生1人が救急搬送された。
奈良県警奈良西署や搬送先の病院によると、搬送された6人のうち中学生3人が入院している。2人は意識不明の重体で、1人は事故後に意識混濁の状態だったが、意識が回復したという。同校によると、ほかの3人は当日中に帰宅した。
同校の説明によると事故当時、現場には生徒115人と部活動の顧問の教員ら8人がいた。
午後5時40分ごろに降り始めた小雨がいったんやんだ後、今度は強い雨となり、教員が雨雲レーダーで雷を確認しようとしたところ、いきなり落雷したという。救急車を待つ間にAEDを使って被害を受けた生徒の心肺蘇生が施された。
同校は11日を休校としたが、12日午前に授業を再開。スクールカウンセラーが登校した生徒の心のケアにあたった。保護者には、学校の連絡網を通じて概要を説明したという。今後、第三者による調査委員会をつくり、再発防止策を講じるという。
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