「甲殻類グッズは、見つけたら買うようにしている。実はダンゴムシも甲殻類」と笑う大平教授=2025年4月1日、神奈川大学横浜キャンパス、稲葉有紗撮影

 神奈川大学発のベンチャー企業「琉球アクアファーム」(沖縄県)は、稚エビの生産を手がける。理学部の大平剛教授が開発した世界初の技術で、エビ養殖の効率化に挑んでいる。

 「ゆでるときれいな赤いシマシマが明瞭に出る。その丸まった姿が車輪に見えるからクルマエビなんです」。横浜市神奈川区の研究室で、大平教授が解説する。「キロ単価は本マグロよりも高い。高級なおすし屋さんや天ぷら屋さんが年間を通して使うので、養殖も必要」だという。

 効率的に養殖するにはどうすればいいか。着目したのは、クルマエビの成長速度だ。メスはオスよりも成長速度が速い。甲殻類は、成長の途中で性別を人為的に変えることができる。全てメスにできれば、短時間で、より大きくなると考えた。

 2014年、大平教授の研究グループは世界で初めて、人工的にクルマエビの性別を変えるホルモンを作ることに成功した。その技術を生かして、24年にクルマエビの養殖がさかんな沖縄県に「琉球アクアファーム」を設立した。

 これまで、母エビの産卵を誘…

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