京都少年鑑別所の精神科医、定本ゆきこさん。鑑別所で出会う非行少年たちの実情から「学校での包括的性教育が必要だ」と訴えている=京都市、大久保真紀撮影

 少年による不同意性交や不同意わいせつなどの事案が増えている。警察庁によると、2024年に不同意性交罪で検挙した少年は、前年の約1.5倍で、不同意わいせつは約1・2倍(23年7月までは罪名はそれぞれ強制性交、強制わいせつ)。性的姿態撮影処罰法違反で検挙した少年は、前年比の5倍近い。非行少年たちの性加害問題をどのようにとらえるべきなのか。長年、京都少年鑑別所で子どもたちと向き合ってきた精神科医の定本ゆきこさん(64)に聞いた。

少年鑑別所で見た非行少年たちの性加害と性被害

 少年鑑別所で長年、非行の少年少女たちを見てきたが、彼らが関わる性加害と性被害の実情をみると、男女ともに包括的性教育の必要性を強く感じる。

 非行の中での性の問題は、男子と女子では表れ方が違う。男子の非行少年は性被害よりも性加害が多く、しかも「反省」はあまり見られない。ケロッとしていて、それほど悪いことだと思っていないように見受けられる。被害者が受けた深刻な傷つきの程度と比べて、すさまじいギャップがある。

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