旧ジャニーズ事務所(SMILE―UP.(スマイルアップ))の創業者、故ジャニー喜多川氏の性加害問題をめぐり、性被害を訴える当事者3人がスマイル社に対して、不法行為に基づく損害賠償債務があることや、当事者が補償請求権を有する地位にあることの確認などを求める訴訟を6日、東京地裁に起こした。補償をめぐっては、当事者や同社が互いを相手取って訴訟を起こす事例が相次いでおり、専門家は補償の枠組みの客観性に疑いが生じているのでは、と指摘する。
この日提訴したのは、喜多川氏から性被害を受けたと訴えている上田和美さん(63)、堀田美貴男さん(52)のほか、元ジャニーズJr.だという40代の男性。訴状によると、3人は2023年に同社が設置した被害者救済委員会などの窓口に被害申告をしたものの、いずれも補償の対象外と通知を受けたという。再調査の要望をしたものの返事がなかったり、証拠を全て精査していないまま結論を出されたりしたとし、「一方的にとりやめられた補償業務の再開と対話の継続を求める」と主張している。
テレビ局の関連施設で被害に遭ったと訴える40代の男性は、旧ジャニーズ事務所のオーディションの時の様子が放送された番組の録画ビデオなどを持っているが、精査されないまま、判断がなされたと訴える。会見で「どのような理由で補償の対象外となったのか見当がつかないまま、申告から1年以上が経ち、被害者に対し、寄り添った姿勢や態度はみじんも感じられない。求めているのは対話の継続で、理由も告げずに一方的に除外する態度は遺憾だ」と話した。
- 「見てない証拠あるまま…補償の対象外に」 旧ジャニーズ訴えた男性
専門家「スマイル社の対応、誠意あるとは思えない」
補償をめぐっては、昨年秋ご…