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 山形県酒田市の宗教法人「大日院」をめぐる「霊感商法」事件で、岩手、山形両県警の合同捜査本部は17日、僧侶の真鍋明夫容疑者(67)=福島市東中央2丁目=を詐欺容疑で再逮捕し、発表した。捜査に支障があるとして、認否は明らかにしていない。

 岩手県警生活環境課によると、真鍋容疑者は大日院副管長の宗像法照(ほうしょう)と名乗り、22年6月ごろから今年3月ごろにかけ、一関市と山形県寒河江市で、祈禱(きとう)名目で金銭をだまし取ろうと計画。一関市の無職男性(84)ら計3人に対し、「悪い因縁や原因を取り除くため、(大日院とは無関係の)有名寺院に祈禱させる」などと持ちかけ、祈禱料として計八百数十万円をだまし取った疑いがある。

 真鍋容疑者は先月、祈禱の依頼を受けた際、法律で定められた契約に関する書面を交付しなかった特定商取引法違反(書面不交付)の疑いで逮捕された。

 大日院は2015年以降、東北各地で毎週のように相談会を開催し、病気や家族のことなどで悩みを抱える高齢者ら330人以上から4億円以上集めていたとされる。県警は捜査の過程で、真鍋容疑者が関西地方にある有名寺院の名前を相談者に伝え、信じ込ませていたと判断。その場で現金を受け取っており、詐欺容疑での立件に踏み切った。

 同課には大日院と関わりのあった相談者からの問い合わせが相次いでいるといい、実態の解明を進めている。

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