防災士を対象にしたフォローアッププログラムで、避難所のトイレについて説明する小国恵子さん(右)=2024年11月17日午前11時18分、松山市、宮沢崇志撮影

 愛媛県は「防災士」の数が全国1位だ。10月末時点で2万4835人にのぼり、人口が約10倍の東京都を上回った。日本防災士機構が認定する民間の資格である防災士。登録者数が都道府県別で1位になった背景には、県や県内の市町が防災士の養成に力を入れてきた経緯がある。

 「近年、災害は激甚化してきている。南海トラフ巨大地震への備えからも、防災士の役割はますます重要になってきている」。愛媛県の中村時広知事は11月、記者会見で防災士が全国1位になったことに触れ、こう述べた。

 防災士の資格取得に、公費助成を初めて導入したのは松山市だ。2005年、当時松山市長だった中村知事が助成制度を実施。市内の自治会単位で組織する自主防災組織の推薦を条件に、資格取得のための講座受講料、受験料、教本代などを市が負担した。知事になってからは、講座を県内で開くことで県民が受講しやすくする態勢を整え、市町も受験料などの補助に取り組むようになった。

 今年度、県は資格取得に必須の防災士養成講座を20回開催する事業に1821万8千円を計上した。

 県が県内で開催するため、資…

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