南海トラフ地震に備える海抜ゼロメートル地帯の愛知県愛西市の中学生が、東日本大震災で甚大な被害に遭った宮城県を訪れ、震災の教訓や防災を学んでいる。子どもを亡くした母親の話を聞き、津波と火災の猛威を伝える遺構を見る。被災地に学ぶことで、命の大切さや災害の恐ろしさを実感している。
- 「責任はとる、行って!」 子ども54人守った保育所長
「ぎゅーっと抱きしめてあげたかったが、壊れてしまうので抱きしめることはできなかった」
石巻市の震災遺構門脇小学校の近くにある震災伝承交流施設「MEET(ミート)門脇」で6月18日、愛西市立佐屋中学校の3年生を前に、佐藤美香さん(50)が長女の愛梨ちゃん(当時6)を見つけたときのことを話した。
私立日和幼稚園に通っていた愛梨ちゃんは2011年3月11日の震災で、高台にある幼稚園から送迎バスに乗せられた。バスは海の方の市街地に下りていき、津波と火災に巻き込まれた。バスの園児5人が亡くなった。
生徒たちに伝えた「生き続けて」
震災から3日後、美香さんは…