「スマホの適正使用を推進する条例案」を審議する愛知県豊明市議会の建設文教委員会=2025年9月16日午前10時47分、同市役所、松永佳伸撮影

 愛知県豊明市の全市民を対象にスマートフォンなどの適正使用を推進する市条例案は、16日の市議会建設文教委員会で賛成4、反対3で原案通り可決された。22日の本会議で可決されれば、10月1日に施行される。

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 条例案は、余暇時間での使用に限って1日2時間以内とし、小学生以下は午後9時まで、中学生以上18歳未満は午後10時までを目安に各家庭でルールづくりを促す。罰則や強制力はなく、あくまでも理念条例と位置づけ、厚生労働省が示す睡眠時間を確保するため、全国で初めて使用時間の目安を盛り込んだ。

 委員会では、「子どもの生活環境を守るための条例には意義がある」「スマホの適正利用を考えるきっかけになる」とする意見のほか、「条例化の必要はなくキャンペーンでいいのでは」「スマホ使用と睡眠時間の因果関係に科学的な根拠があいまいで、(行政が)私的な生活に踏み込むのはおかしい」などの意見もあった。

 条例案賛成の委員の中から、条例施行後、定期的に効果や市民の反応を検証し、必要に応じて条例を見直すなどとする付帯決議案が委員会に出され、賛成多数で可決された。22日の本会議で採決される。

 委員会終了後、小浮正典市長は報道陣の取材に、「スマホの使用を2時間に制限するという誤解が一人歩きしている。睡眠時間の確保のため周知、啓発に力を入れたい」と話した。

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