客から理不尽な要求や暴言などを受けるカスタマーハラスメント(カスハラ)について、愛知県は防止条例案を公表した。新年度の県議会で成立をめざしており、罰則については盛り込まない。
県の条例案では、カスハラを「社会通念上相当な範囲を超えた」顧客からの言動と定義。そのうえで、「何人も、あらゆる場所及び状況において、カスハラを行ってはならない」と禁止規定を盛り込んだ。
一方で、罰則については、顧客が萎縮し、正当な意見や要求をしづらくなるおそれがあるほか、罰則の中身を決めるのに時間がかかるなどとして、設けない方針だ。
東京都や北海道が同様の条例を制定するなど、動きは全国でも進んでいる。三重県桑名市で昨年12月に成立した条例では、カスハラの行為者に警告し、改善されなければ、名前を公表する罰則が設けられた。
「事業主ができる対応には限界」
働く現場では、多くの人がカスハラに悩まされている。
小売りや流通、外食などの労…