陸上の世界選手権(世界陸上)東京大会男子やり投げに出場する崎山雄太(愛媛競技力本部)には空白の2年間がある。やりを投げられない時間が、飛躍のきっかけになった。
奈良県出身で、高校生の時にやり投げに出会う。進学した日大はやり投げの強豪。入学当時の自己ベスト61メートル06は「(実力の)レベル的には大学内の下の方」だった。
1年生の夏、右ひじを痛めた。大学4年生のシーズンまで2年以上、やりを投げられない日々が続いた。
体が弱いんじゃない?
けがについて、ちょっと毒の入った冗談を言われることもあった。その場は笑顔で返しても、1人になると言葉を真に受け、落ち込んだ。「なんで自分はこんなに弱いんだろう」
弱さは周囲に見せたくなかった。明け方、寮を抜け出し、散歩した。気分転換しようとした。
そんな時、声をかけてくれた…