【動画】スコップたたけば三味線に 「スコシャン」メンバーが音を合わせて練習に熱=清野貴幸撮影
土木作業や雪かきで使うスコップを津軽三味線に見立てて合奏する人たちが鳥取県北栄町にいると聞いた。取材にお邪魔してみると、まじめに、しかし実に楽しそうに練習に取り組み、三味線奏者になり切っていた。
スコップ三味線は津軽三味線の本場、青森県が発祥とされる。青森出身の記者は何となくその存在を知っていたが、転勤で在住4年目となる鳥取にも愛好者がいると知り、興味が湧いた。
4月半ば、「コナン駅」の愛称で知られるJR由良駅に近い民家の2階に70~80代の男女6人が集まっていた。5月に鳥取県智頭町で開かれた芸能大会に向けた練習の日だった。横一列でいすに腰掛け、太ももに立てたスコップを左手で持つ。右手には三味線のバチの代わりの栓抜き。CDで演歌が流れると合奏が始まった。
「カンカンカカカン、カンカカン」。曲に合わせ、スコップの金属部分(裏面)を栓抜きでたたく。音階はないが、全員でリズムを合わせるのはそれほど簡単ではなさそうだ。弦がないのに押さえているかのように、スコップの柄の部分で左手をスライドさせるのは「らしく」見せる演出。たたく場所を変えると音も変わるという。
「楽しいですよ」。清水マツ…