武川佑さん=横浜市西区、伊藤宏樹撮影 読み進めると、500年ほど前の話とは思えない感覚に襲われる。戦国時代が舞台の小説の主人公が「マイノリティー」の個性を帯びているからだろう。 武川佑さんの新作「龍(たつ)と謙信」(KADOKAWA)は、越後の武将・上杉謙信と、妻の於龍(おたつ)を主人公に据えた時代小説だ。謙信は「軍神」「義の武将」…