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豚の体重が見えるメガネ型デバイス「スカブター」=2025年5月7日、宮崎市学園木花台西1丁目
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 豚舎で元気よく動き回る、たくさんの豚たち。出荷に適した体重になっただろうか。細長いメガネをかけて1頭に目をやる。メガネ越しの視界に文字が浮かぶ。「122.3kg」

 まるで人気漫画に出てくる戦闘力を測るあの装置のよう。宮崎大工学部の川末紀功仁教授(60)は、豚の体重が見えるこのメガネを「スカブター」と呼ぶ。画像認識技術やAIで、畜産の現場の課題解決を目指す。

 宮崎県は人口約102万人に対し、昨年の畜産統計で豚は約72万頭いる。肉牛、豚、ブロイラー(肉用鶏)の飼育頭羽数はいずれも全国トップ3に入り、隣接する鹿児島県とともに畜産王国だ。

 豚の場合、肉の等級は5段階ある。枝肉の重量と背脂肪の厚さによる判定表と、外観と肉質で決定する。枝肉は重ければいいというものではなく、皮をはぐ場合最上級の「極上」なら1頭あたり73~81キロ、2番目の「上」は68~83キロの範囲に収まる必要がある。

 日本食肉格付協会の統計では、昨年の格付けの結果は極上1.2%、上51.7%、中32.4%、並11.0%、等外3.7%だった。食肉市場の統計などによると、上と中では平均するとキロ数十円の価格差が生じるため、出荷時の体重の見極めは重要だ。

100キロの豚100頭を体重計に…高齢農家には負担

 ところが、出荷直前の豚は1…

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