4月22日。ナイターの楽天戦終了から約2時間半が経過していた。
ほとんどの選手たちは帰路につき、閑散とした日本ハムの本拠エスコンフィールド北海道の通路に、万波中正(25)が姿を現した。日付が変わろうとしていた。
「うまくボールに入っていけたかな。いい対応ができたと思います」。六回に放った2試合ぶりの5号ソロ本塁打を振り返る。
「でも……」
こんな接続詞とともに反省の言葉を並べる。万波は、いつもそうだ。
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「状態がいいとはまだ言えない。『おっ』というスイングが一振りでも多く、試合でも練習でも出していけるように日々を過ごしているのですが……」
プロ4年目の2022年に1軍に定着してからは、試合後はコンディショニングに時間を費やしてきた。ただ、最近はバットを振る割合を増やしているという。
「スイング数や量は大事かなと思い始めて。(配球の)読みが当たって打てるのは増えていますが、反応で打てる打席がすごい減ってきている感じがしているんですよ」
記者に囲まれながらも、独り言のように語り続ける。そうしながら、頭の中を整理しているのだろう。もっと野球がうまくなるにはどうすればいいのか。もっと打つには――。
4月の北海道はまだ寒い。通…