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山岸忍元社長(左)=2023年9月19日午前11時26分、大阪市北区、森下裕介撮影

 大阪地検特捜部に業務上横領罪で起訴され、無罪となった不動産会社「プレサンスコーポレーション」(大阪市)の山岸忍元社長(61)が「違法捜査で精神的苦痛を受けた」と国に賠償を求めた訴訟で、大阪地裁が5日、担当検事ら4人の証人尋問をすると決めた。同社を巡る一連の訴訟で検事が証人出廷するのは初めて。

 山岸氏の代理人弁護士への取材で分かった。4人は神戸地検の蜂須賀三紀雄刑事部長、甲府地検の田渕大輔次席検事らで、尋問は6月中旬に行う方向で調整している。

 山岸氏側は昨年10月、取り調べの違法性を明らかにするため、山岸氏や当時の部下、取引先の社長を調べた検事と主任検事の計4人の証人尋問を請求。国は当初反対していたが今年3月、「違法性はなかったと立証する」として、同じ4人の尋問を請求していた。

 この事件では、検事が元部下らに「あなたはプレサンスをおとしめた大罪人」「検察なめんな」と迫り、机をたたくなどしていたことが取り調べの録画映像などで判明。大阪地裁は2021年、山岸氏の関与を供述する元部下の証言の信用性を否定し、無罪を言い渡した。(戸田和敬、山本逸生)

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