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非常用担架「救護器具兼用看板サポートサイン」(中央)やアウトドア用のテーブル(左)などを見せる喜井翔太郎さん=2024年7月2日午後4時6分、堺市北区常磐町、辻岡大助撮影
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 この会社の看板商品は文字通りの「看板」です。料理のメニューや値段を表示したり、新商品を紹介するポスターを貼ったりして、様々な店の前に立って人の目を引くあれです。それを発想の転換で、寝かせてみれば……。父子2代にわたる挑戦が続いています。

カンサイのカイシャ ここがオモロイ!

 広告や案内のほかに、立て看板の使い道はあるのだろうか。

 堺市北区の常磐精工がその可能性を探るきっかけとなったのが、2011年の東日本大震災だ。「がんばろう日本」と記したアルミ製の看板を製造し、収益を被災地への義援金として寄付した。

 「いざという時、立て看板にできることがもっとあるんやないか」。会長の喜井充さん(64)が思いついたのが、非常用担架だった。

 高さ170センチほどのパネルの裏側に体を横たえられるシートを張り、左右の支柱に4個の車輪を付けた。非常時にパネルを外し、寝かせるようにして変形させれば、負傷者を搬送できる担架になるのだ。

 「担架って防災倉庫の奥にしまい込まれているもんで、大災害が起きた時、『鍵はだれが持ってんねん』とか、なりますよね。街中の目立つところに置かれている立て看板が担架になれば、すぐ対応できるでしょう」

 時代劇の映画で戸板を担架に転用してけが人を運ぶシーンもヒントになったという。

 強度試験を重ね、震災の5年…

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