コメ価格の高騰で、農業政策に注目が集まっている。コメ作りを次世代に継ぎ、持続可能な農業にするにはどんな政策が求められるのか。埼玉県内外で作付面積330ヘクタールの農地を抱える大規模農業法人「中森農産」代表の中森剛志さん(36)を訪ねた。
県内一の米どころ加須市の田んぼでは6月末、青々とした稲が揺れていた。この地で2017年から稲作を続ける中森さんは、最も難しいこととして「人材育成」をあげる。
農業は天候に左右され、膨大な知識と経験を持つ「職人」の判断が不可欠だが、1人の職人が目をかけられる面積には限界がある。コメ作りを体験できるのは1年に1サイクルだけで、知識の蓄積には長い年月がかかってしまう。
中森農産では「草刈りの作業…