名古屋市消防局は10日、仮眠中の救急隊員が、急病者搬送の指令に気付かず、出動が約6分遅れたと発表した。別の救急隊が出動して心肺停止状態だった同市天白区の60代男性を病院に運んだが、死亡が確認された。
市消防局によると、10日午前4時30分、名古屋市天白区の急病者の家族から救急搬送要請の119番があった。本部機動部隊に所属する救急隊の3人が指令を受信する装置の設定を忘れ、仮眠していたため、指令センターからの指令を受けることができなかった。指令センターは別の救急隊を出動させたが、約6分の遅れが生じたという。救急隊が通報先に到着した際、急病者の男性は心肺停止状態で、病院に到着後に亡くなったという。
消防局は、搬送した病院の医師の見解として「遅延が影響を与えたとは考えにくい」と説明し、死亡との因果関係は不明としている。伊藤一義消防局長は「亡くなった方とご家族におわび申し上げる。今後このようなことが発生しないよう再発防止の徹底に取り組む」とのコメントを出した。