米アラスカ州で開かれた米ロ首脳会談では、ロシアのウクライナ侵攻の停戦交渉で何の進展も見られなかった。慶応大学の鶴岡路人教授(国際安全保障)は、合意内容次第では、第2次世界大戦後の国際秩序を大きく揺さぶられるおそれもあったと指摘する。
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――首脳会談をどのように見ましたか。
終始ロシアのペースで会談が進んだ印象です。ロシアの主要な目的は、米国からの制裁を回避しつつ、戦争を続けるための時間を稼ぐことで、完全に成功しました。ウクライナへの侵攻後、国際的に孤立していたロシアが、今回の首脳会談を通じて、国際社会への復帰を果たしたような形になったことも、ロシア側の思惑通りと言えます。
自分の首を絞めた状況下だった米国
――なぜ、このような展開にな…