救急搬送の調整を支援するシステムのイメージ

 政府は20日、救急患者の搬送先を速やかに決めるためのシステムを構築すると発表した。現場の救急隊が患者の訴えや症状などの情報を入力すると、医療機関側が受け入れの可否をシステム上で答え、搬送先をすぐに決められるようにする。2025年度中に一部自治体で導入を始める。

 救急隊は、患者のもとに到着すると救急処置をしながら、医療機関に個別に連絡をとり、患者の受け入れが可能か問い合わせている。新型コロナウイルスの流行時には、数十カ所の医療機関に受け入れを断られ、救急隊が何時間もその場から動けない状況もあった。

 救急出動件数は増え続けており、23年は過去最多の764万件。厚生労働省の推計によると、40年には20年と比べて85歳以上の高齢者の救急搬送が75%も増加する。救急搬送の効率化は喫緊の課題になっている。

 一部の自治体では、医療機関…

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