「教える」という経験は、社員の成長をステップアップさせるはず――。そんな発想で、社員が講師になって教え合う研修を始めた会社がある。社員教育に投じる経営資源が限られている中小企業で、教える側と教わる側が効率的に学べる場をめざしている。
創業57年の老舗のアパレル企画・販売会社「サンブロス」(名古屋市千種区)の小林久敏社長(46)は悩んでいた。「経営者は、学ぼうと思えばセミナーや講座に時間をかけることもできるが、中小企業の社員の場合はなかなか機会に恵まれていない。社員に成長の機会を持ってもらうには、どうしたらいいのか」。
思いついたのは、社員同士が教え、学び合う社内研修の仕組みだ。3年ほど前、「サンブロス大学」と名付けてスタートさせた。
「教えられる側は当然、勉強…