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富山市教育委員会が校長・園長を集めて開いた臨時の会議。宮口克志・教育長は訓示で「教職員の認識不足、コンプライアンス違反が今回の情報漏洩の根本的原因」と指摘した=2025年1月29日午前、富山市新桜町、前多健吾撮影

 富山市教育委員会は、市立堀川南小学校で実施した記名式のいじめに関するアンケート結果が、児童らのタブレット端末で閲覧できる状態になっていたと発表した。市教委は、個人情報を含むアンケートにタブレットを使わない取り決めをしていたが、同小を含め計19の小中学校で使用していたことも判明。29日に臨時の校園長会を開いた。

 市教委によると、堀川南小では3~6年生と特別支援学級の児童に月1回、いじめに関するアンケートを実施。タブレットを使用し、「学校は楽しいか」「嫌な気持ちになることを言われたことはないか」などの設問のほか、相手を尋ねる記述欄もあった。

 アンケートにあたっては、各クラス担任が担当教員から伝えられた回答用ページのアドレスを児童に共有していた。しかし、今月の調査の際、結果を閲覧できる教員用ページのアドレスを担当が誤ってクラス担任に配り、子どもたちにも送られたという。

 閲覧できる状態になっていたのは21、22の両日。児童386人が326人分の回答結果を見られるようになっていた。31人がアクセスしたが、個人情報の掲載箇所を見た児童はいなかったとしている。

 こうした事態を受けて市教委は臨時の校園長会を開き、小学校63、中学校25、幼稚園3の計91人が出席した。宮口克志教育長は「教職員の認識不足、コンプライアンス違反が今回の情報漏洩(ろうえい)の根本的原因」と述べ、再発防止の徹底を求めた。

 さらに過去の履歴を調べたところ、昨年10月にも同様に児童が閲覧できる状態にあったことがわかった。担当教員は管理職に報告しておらず、宮口教育長は教職員間のコミュニケーション不足も指摘し「組織として危機的状況にあると判断せざるを得ない」と述べた。

 また小学校17校、中学校2校で市の取り決めに反し、個人情報を含むアンケートをタブレットで行っていたことが判明。市教委は19校にデータを削除するよう指導した。

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