学校の教室で、プロの芸術家らに絵や音楽を教えてもらおう――。鳥取県東部を中心に活動する芸術家を小中学校や義務教育学校に派遣する鳥取市の取り組みが3年目に入った。子どもたちはアートとの出合いに目を輝かせている。
「好きな色の絵の具を三つ選んで、机の上に置いてくださーい」。イラストレーターのClara(クララ)さん=鳥取市在住=が子どもたちに呼びかけた。
小中一貫の義務教育学校、鳥取市立江山(こうざん)学園で9月4日に開かれた特別授業。小さな白い人形に絵や模様を描き、オリジナルのキャラクターをつくる課題だ。
2年生の14人が真剣な表情で絵の具を選び、思い思いに人形に色をぬっていく。赤、青、黄色……。2色を混ぜて別の色をつくったり、色を重ねてぬったり。「私は緑が好き」「紫色になった」
予定の40分間があっという間にすぎた。「お人形を先生の机に持ってきてくださーい」と担任の永田真琴教諭。ダルマ、イチゴ、フクロウ、お姫様。14体の個性あふれるキャラクターが並んだ。
体を赤、顔を黄色にぬった福田丙葉(あきは)さん(8)は「合いそうな色を選んだ。上手にできた」。青と緑を混ぜて目を描いた森田智大(ともひろ)さん(8)は「混ぜたらきれいな色になると思った。楽しかった」と笑顔を見せた。
「自分で一から何かを作り出す体験をしてほしい」とClaraさん。2008年から創作活動を始め、鳥取県内で毎年開かれる全国高校生手話パフォーマンス甲子園の応募チラシのイラストを手がけたこともある。「今後もいろんな学校でものづくりの楽しさを伝えていきたい」と話す。
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