原子力規制委員会は2日、日本原子力発電敦賀原発2号機(福井県)の、再稼働に向けた申請を初の不許可とする手続きに入った。審査会合で原子炉直下に活断層がある可能性が否定できず、原発の安全対策を定めた新規制基準に適合しないと結論づけていた。原電は審査継続を求めたが、これまでの審査結果で判断する。
規制委はこの日午後、原電の村松衛社長から意見聴取した。原電は審査継続を求めており、追加調査を行うとしている。村松社長は追加調査は1年以上かかる見込みで、約2カ月後に具体的な計画を示すと説明した。一方、規制委からは「1年以上と言われても、何の見通しにもなっていない」「具体性に乏しい」といった厳しい指摘が相次いだ。
規制委は意見聴取後、今後の対応を議論した。これまでの審査結果を覆すデータが原電の追加調査で出てくる保証はなく、調査にかかる期間もわからないため、申請を不許可にするための手続きに入る方針で一致。新規制基準に不適合とした判断を審査書案にまとめるよう、事務局に指示した。
規制委は今月下旬にも審査書案を了承し、30日間の意見募集も行ったうえで正式に不許可とするのは10月以降になるとみられる。
新規制基準では約12万~13万年前以降に活動した可能性が否定できない断層を活断層とみなす。活断層の上に原子炉建屋などの重要施設がある原発の運転は認めていない。一方、敦賀2号機は10年以上前から原子炉建屋の直下に活断層がある可能性が指摘されていた。
規制委は昨年8月に原電が申請書を出し直して以降、8回の審査会合と2回の現地調査を実施。先月26日の審査会合では、原子炉建屋の直下に活断層がある可能性は否定できず、基準に適合しないと結論づけた。一方、原電は追加調査データの提出と審査継続を求めていた。
これまで再稼働に向けた審査…