神奈川県横須賀市で開催された展覧会「土方しげみの世界」の入り口で来場者を迎えるさとちゃん。
2023年3月24日 12:00(日本時間)
日本の「かわいい文化」の黎明期に登場した愛らしいキャラクターの再会は、今、神奈川県の美術館を訪れた人々をノスタルジックでノスタルジックなものにしています。
展覧会「キャラクターデザインの先駆者 土方成美の世界」が、県内横須賀市の横須賀美術館で開催中。
兵庫県出身のグラフィックデザイナー、土方茂美(1915-86)の貴重な原画を多数展示。
子豚、モフモフのシロクマ、ネズミ、ゾウなど、さまざまなポーズや表情を持った愛らしいキャラクターが目白押しです。
土方の最初の注目すべき作品は、1960年から1967年までNHKの長寿番組「お母さんと一緒に」の一部として放映された「ブーフーウー」でした。

土方がデザインした人形を原画とともに展示。
有名な童話「三匹の子ぶた」に基づいたアニマル スーツを着た人々が演じるこのテレビ番組は、今日まで続く衣装を着たパフォーマーをフィーチャーした他の番組を生み出しました。
黒柳徹子さんと大山信代さんが声優を務める子豚は、1960年生まれの天皇陛下が子供の頃から好んで飼っていたという伝説的な存在です。
土方直筆のデザインスケッチには、キャラクターの動きや表情の指示が細かく書かれており、立体化した時のイメージが明確だったことがうかがえます。
土方はその後の着ぐるみ作品「だっっとくん」や「とんちん小坊主」などのキャラクターデザインも手掛ける。
NHKは、開局70周年を記念して、番組の模様をインターネット上で動画公開しています。
https://www.nhk.or.jp/archives で見る楽しみも増えるはずです。
土方は企業のマスコットキャラクターもデザインし、佐藤製薬のゾウ「サトちゃん」は代表作の一つです。

アサヒビールの往年のマスコットキャラクター、ほろにがくんの人形です。
1959年に制作された初代人形をはじめ、大小300体の人形が勢ぞろいする「さとちゃんワールド」は圧巻です。
サトちゃんは今でも同社の人気キャラクターですが、残念ながら他のキャラクターは姿を消しました。
アサヒビールのジョッキを擬人化した「ほろにがくん」が、その可愛さから子供たちに人気を博し、物議をかもした。 大人もカワイイキャラに憧れる今、ほろにがくんの復活を期待したい。
また、土方が人形や小道具、背景をデザインした人形絵本も展示。 人形や小道具を使って、人形作家が彼のデザインに合わせて立体ジオラマを作成し、それを撮影して本のイラストを制作しました。 書籍は海外にも翻訳・輸出され、海外でも高い評価を得ています。
多摩帝国美術学校(現・多摩美術大学)卒業後、土方は東宝の映画や舞台のポスターを数多く手がけた。
土方を児童画の世界に導いたのは、劇作家の飯沢匡でした。
また、川本喜八郎、辻村壽三郎、與由紀らが土方の意匠を人形化した著名な画家である。

世界各国に輸出されたピノキオ人形の絵本
「レトロブーム」の波に乗った本展は、日本の美術・文化の歴史に触れるだけでも一見の価値あり。 展示は4月9日まで。