兵庫県の斎藤元彦知事らを内部告発した元西播磨県民局長(故人)の私的情報を知事側近の前総務部長が漏洩(ろうえい)した問題で、県の第三者調査委員会は「知事と前副知事が指示した可能性が高い」と結論づけた。斎藤知事は指示を否定している。第三者委の委員長を務めた工藤涼二弁護士に、この結論に至った経緯や、報告書を発表した時の思いを聞いた。
――斎藤知事は漏洩の指示を否定しています。
我々としては必要な調査を尽くした上での結論なので、受け入れていただけないのは残念です。
感じた「不自然さ」
――斎藤知事の証言は「採用することが困難」と報告書で指摘しました。
事情聴取で、斎藤知事からは「(指示について)そう言ったかもしれないが、私的情報のことではなかった」というお答えがくるかと思っていたんです。ですが、「一切、何も指示していない」と。「議会と情報共有しておくように」と伝えるような一般的な指示も否定されたので、不自然に感じました。
ただ、この聴取の時点では(知事と前総務部長の)どちらの供述が正しいか決められませんでした。
その後に聴取した片山安孝前…